2024/03/07
筋肉が衰えればすべてが衰える
我々が手に入れた便利な生活は、体の中の悪循環を引き起こす要因にもなっている。
体を動かさなければ筋肉は衰えていく。筋肉と脳は相互作用しているので、脳の働きも鈍くなる。脳が筋肉を働かせるための電気信号を出さなくて済むからである。動くことが少なくなれば関節も弱くなっていく。エネルギーを送り込む量も少なくなるから心臓循環器系も弱くなり、栄養が行き届きにくくなるから骨も弱くなる。体の形成や筋肉を動かすために必要な栄養も少なくなるから、代謝機能も衰える。筋肉を使わなければ糖代謝が少なくなるため糖尿病になる可能性も高くなる。筋肉は最も大量に糖質と脂質を消費する臓器であり、筋肉が萎えないようにすることがすべての臓器の健康に寄与するのである。つまり、筋肉が衰えればすべてが衰えることになる。
筋トレに限らないが、運動をすることによって、記憶力と認知能力を高める脳由来神経栄養因子(Brain Derived Neurotrophic Factor: BDNF)という物質が筋肉から分泌される。BDNFは記憶をつかさどる海馬や大脳皮質、大脳基底核を活性化させることが分かっている。それとは別に筋トレを行なうと意欲をかき立てるドーパミンも多く分泌される。記憶力と認知能力が高まるだけでなく、脳が意欲を引き出すように働けば、認知症発症リスクは低くなるはずである。インスリン様成長因子(IGF-1)は、認知機能改善に関与する神経栄養因子である。運動でIGF-1レベルが増加するが、認知機能が低下した高齢者ではIGF-1は低値を示す。筋力トレーニングはテストステロンとIGF-1レベルを増加させるので、研究者によっては、筋力トレーニングの方が心臓循環系トレーニングより有効であると議論する人達もいる。健康寿命の延伸は自分の努力から始まるのである。
2024/03/06
テストステロン(男性ホルモン)でいつまでも若々しくいる方法について!
〜テストステロンって何?どんな働きがあるの?〜
テストステロンは男性ホルモンの一種であり、男性の場合、約95%が睾丸(精巣)の中で、残る5%が副腎で、合成・分泌されていると言われています。
テストステロンは、
筋肉の量を増やしたり強度を高めて筋肥大させる造血作用
男性としての機能の維持
集中力やリスクを取る判断をするなどの高次精神機能
内臓脂肪やメタボリック症候群、骨密度
に関係しています。
特に筋肉を増やしたいと筋トレなどをしている方にとっては、テストステロンは必要不可欠であり、テストステロンの分泌が少ないといくらトレーニングをしても、筋肉量の多い理想的な体を手に入れるなど筋トレの効果を出すことは難しいと言えます。
テストステロンは男性にとって非常に大事な物質でありますが、20代をピークとして加齢とともに減少していきます。
〜テストステロンが減少するとどんな症状が出るの?〜
身体的な症状としては
過度な疲労感や倦怠感
性欲低下やED(勃起障害)といった男性機能の低下
不眠や肩こり
などの症状がみられます。精神的な症状には
気力の衰え
集中力の低下
イライラ
抑うつ
などがあります。
テストステロンは、体のさまざまな臓器に影響を及ぼすとされているため、症状はここに挙げた以外にも多岐にわたり、テストステロンが減少した際に引き起こされる症状は男性の更年期症状ともいわれ、過剰に減少する場合は、加齢性腺機能低下症(LOH症候群)が疑われます。
〜テストステロンが減少する原因は?〜
テストステロンはさまざまな理由によって減少します。
・加齢
1つ目は加齢です。テストステロンの分泌は20歳代をピークに減少していきます。そのため、20歳代の方と同じ筋トレメニューをこなしたとしても50歳代の方と筋トレの効果が異なるのは、このテストテロンの量が関係しているといわれています。
・食生活
2つ目は食生活です。菜食主義の方や食生活が乱れている方、偏食の方では、テストステロンを作る機能が低下するため、テストステロンが減少すると考えられます。
ほかにも、肥満やストレスによってテストステロンを分泌する脳の機能が低下すると、テストステロンの分泌量が減少するといわれています。特にデスクワークの方や管理職の方に、テストステロンが減少してしまう方が多い傾向にあるといわれています。
〜テストステロンを増やすにはどうする?〜
テストステロンの分泌は脳からの命令でコントロールされており、成人男性が精巣で1日に分泌するテストステロンは、7mg前後といわれていますが、もっとテストステロンを増強させたいという場合には、食生活や生活習慣を見直していくことが必要となります。
・食生活
テストステロンの原料はコレステロールです。もちろん、コレステロールだけを過量に摂取してしまえば、栄養バランスが悪くなり他の病気を引き起こす可能性が懸念されます。そのため、コレステロールを意識して摂りつつバランスの良い食生活を心がけることが重要です。
・生活習慣
適度な運動を維持すること、十分な睡眠、規則正しい生活リズムを保つこと、ストレスを溜めないことが大切です。運動においては、有酸素運動と筋トレの両方を行うことが効果的です。両方をバランスよく行うことで、テストステロンの分泌を促すだけでなく、分泌したテストステロンを維持することもできます。また、筋トレは過度な負荷をかけてしまうと活性酵素が発生してしまうため、過度に負担をかけない程度で行った方が、分泌を促したテストステロンを維持することができます。
テストステロンの分泌は脳から命令を受けることから、ストレスにより脳の機能が低下すれば、テストステロンの分泌は低下すると考えられています。ストレスをうまく回避できるように生活していきましょう。
また、テストステロンは性ホルモンですので、性の刺激があったほうが、分泌は促されます。あまり異性と関わらなくなっているような方や、セックスレスなど夫婦のマンネリを自覚している方は、ポジティブに行動していかれることをおすすめしています。
2024/03/05
仕事のパフォーマンスを上げるのには筋トレが有効!?
忙しいビジネスパーソンにとって、仕事でのパフォーマンスを向上させるための方法は常に注目されています。しかし、意外なことに、筋力トレーニングが仕事の効率や成果にプラスの影響を与えることが近年の研究で示されています。ここでは、筋トレが仕事のパフォーマンス向上にどのように役立つのかを詳しく見ていきます。
〜筋トレと仕事パフォーマンスの関連〜
集中力とクリエイティビティの向上: 筋トレは血液循環を促進し、脳への酸素や栄養素供給を増加させます。これにより、集中力やクリエイティビティが向上する可能性があります。
ストレス軽減: 仕事によるストレスを軽減する効果があります。ストレス軽減は心身の健康を保ち、仕事に対する集中力や意欲を高めます。
エネルギーと持久力の向上: 日常的な筋トレはエネルギーを高め、持久力を向上させることで、長時間の集中力を維持するのに役立ちます。
〜筋トレを仕事に取り入れる方法〜
朝の短いルーティン: 朝の15〜30分の筋トレルーティンを取り入れることで、一日のエネルギーをアップさせます。
デスクワーク中のストレッチ: デスクワーク中に定期的なストレッチや軽い運動を行うことで、血行を促進し、姿勢や集中力を保つことができます。
ランチタイムのウォーキング: ランチタイムに短い散歩やウォーキングを取り入れることで、リフレッシュし、ストレスを軽減します。
〜まとめ〜
筋トレはビジネスパーソンにとって、仕事でのパフォーマンス向上に有効な手段です。集中力やクリエイティビティの向上、ストレス軽減、エネルギーと持久力の向上など、仕事にプラスの効果が期待されます。
自分の仕事パフォーマンスを向上させたいビジネスパーソンにとって、筋トレを取り入れることは重要です。パーソナルジムでトレーナーに相談し、自身に合った効果的なトレーニングプランを立てることで、仕事と健康の両面での成功を目指しましょう!
2024/03/04
筋トレが脳に与える影響
〜思考力がクリアになる〜
筋トレを行うと、心拍数が上がり血流が良くなるため、脳への酸素供給が増えます。これにより頭がすっきりとし、思考がクリアになる効果があります。
〜心が落ち着く〜
筋トレによる運動はストレスホルモンのバランスを整え、心地よい疲労感をもたらします。これにより睡眠の質が向上し、心が安定します。
〜気分が良くなる〜
筋トレをすると、「達成感」や「満足感」を感じることができ、これが心地よい気分につながります。また、運動によって分泌されるエンドルフィンというホルモンも、気分を高揚させる効果があります。
〜集中力が上がる〜
定期的な筋トレを行うことで、脳の働きが活性化され、集中力や記憶力が向上します。これは、新たな情報を学ぶ力や、それを記憶に留める力を強化します。
これらの効果は、筋トレを継続することで日常生活における心身のパフォーマンスを大きく向上させます。筋トレはただの運動ではなく、身体だけでなく心と脳にも働きかける大切な活動なのです。
〜脳を活性化させる筋トレの方法〜
【有酸素運動】
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、脳への血流を高め、脳の酸素と栄養素の供給を向上させます。20分以上行うのが効果的とされています。
これにより脳の健康が維持され、認知機能の保護が期待できるといわれています。
【全身運動(複合動作)】
バーベルを膝の上まで持ち上げるトレーニングであるデッドリフトやスクワットなど、全身を使う筋トレは身体と脳の両方を鍛えることができます。
これらの運動は、脳にとっても高度な調整と集中力を必要とするため、脳の活性化に役立ちます。
【HIT】
高強度インターバルトレーニングは、高い強度での運動と低い強度での休息を交互に行う運動法で、短時間で効率的にカロリーを消費できます。
また、HITは心肺機能を向上させるだけでなく、脳の活性化にも繋がるといわれています。
短い運動期間中に高い集中力が必要となるため、脳の認知機能を刺激し、向上させることが可能です。
これらの運動を組み合わせることで、身体と脳の両方の健康を向上させることができます。
WYLCではご要望に応じて脳を活性化するためのトレーニングも取り入れております。
毎回のセッション前にコンディショニングを確認して、プランを決め、適切な運動計画を立てていきます。
2024/03/03
筋トレは50歳過ぎても効果ある? 効果出やすい人は?
筋トレを始めるなら50代くらいまでがよいです。筋トレを始めるのに遅すぎるということはなく、何歳で始めても効果が期待できます。
「40歳を過ぎたころから太りやすくなってきた」「若いころに比べて疲れやすくなった」「階段の上り下りがしんどい」。40~50代のミドル世代になると、こうした身体の変化を実感するようになります。60代以降になると、さらに体力の衰えを感じることが多いでしょう。その大きな要因となっているのが、筋力の低下です。
筋力の低下に伴って体を動かす機会が減ってくると、運動機能が低下して、日常生活に様々な不具合が生じてきます。例えば、小さな段差でもつまずいて転倒したり、転倒の際に骨折したりしやすくなります。また、手足の関節が痛んで、重い物を持ったり階段の上り下りをしたりするのがつらくなったりもします。
そうすると、ますます体を動かしにくくなり、活動量が減少する悪循環に陥ることで、身体機能の低下のリスクを高めてしまいます。また、活動的な生活を送れなくなると、外出や人とのコミュニケーションの機会も減ってしまい、うつ状態や認知症につながる危険性もあります。
加齢によって日常生活に様々な不具合が生じ、健康的な生活を送れない状態を『老年症候群』と呼びます。老年症候群を予防するには、十分な活動ができるように、身体機能を維持・向上することが大切。それには、筋トレが最も楽な近道です。
〜筋トレをすれば、90代でも筋力を高めることは可能〜
筋トレを習慣にするとよいと聞いても、「自分はこれまで筋トレはしてこなかったから手遅れだ」「すでに足腰が弱っていて、筋トレをするのは難しい」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、大渕さんは「そんな人にこそ、筋トレをお勧めしたい」と強調します。というのも、筋トレには次のような特徴があるからです。
●筋トレを始めるのに遅すぎるということは一切ない
●体の衰えを感じている人のほうが、筋トレの効果が表れやすい
筋トレは手段であって目標ではありません。筋トレをきっかけに生活のハリを取り戻すことが目標です。中高年になってもハリのある生活を送ることができれば、老化現象にストップがかかるのです。つまり、筋トレは、生活のハリを取り戻し、健康寿命を延ばす大変良いきっかけになるということです。
かつては老化で体の機能が衰えてきたら、無理は禁物と思われてきました。しかし今では、高齢期にこそ筋トレで適度な無理をすることが体や心を若返らせると明らかになり、健康寿命を延ばそうと筋トレを楽しむ方が増えてきました。
〜筋トレをすれば、「速筋」が鍛えられる〜
老年症候群の予防に筋トレが有効な理由の1つには、「速筋」が鍛えられることがあります。筋肉の細胞(筋線維)は、白い筋肉と呼ばれる速筋と、赤い筋肉と呼ばれる遅筋に分けられます。速筋は瞬発的に大きな力を出すときに使われる筋肉で、遅筋は持続的な力が必要とされるときに使われる筋肉です。
加齢に伴う筋肉量の減少は、特に速筋に起こりやすく、速筋が減少すると、素早く体を動かすことが難しくなってきます。若いころなら、何かにつまずいたとしても、とっさに体勢を立て直したり、パッと手を出して周囲のものにつかまったりすることができますが、そういう動きができなくなってくる高齢期には、転倒しやすくなってしまいます。そうした意味でも、筋トレを行い、速筋を鍛えることが重要なのです。
ウオーキングやジョギング、水泳といった、息切れしないペースで長く体を動かす有酸素運動では、速筋に刺激を与えることはできません。もし走って速筋を鍛えようと思うのなら、短距離ダッシュのような全力疾走が必要になります。シニア世代にはそれは現実的ではないので、効率よく速筋を鍛えられる筋トレがお勧めなのです。